どうもこんにちは!ぴかちゅう(@hiroshix_dx)です。
インドネシア・ジャワ島にある世界遺産で、世界最大級の仏教遺跡でもあるボロブドゥール寺院遺跡へ行ってきました。
ジャカルタ・スカルノハッタ空港から朝5時台のバティックエアに乗ってジョグジャカルタへ行く日帰りツアーです。
時期は2019年のイスラム教の断食明け大祭(レバラン)真っ最中の6月6日。
大都会のジャカルタ市内は人々が里帰りして日本のお正月三が日のように静かになっていますが、ボロブドゥール寺院遺跡のあるジョグジャカルタでは人もそこそこ多いようです。
ボロブドゥール寺院遺跡のレポ?しますねw
ボロブドゥール寺院遺跡では英語ができなくても日本語ペラペラの専属ガイドさんがいる
日帰りのツアーで来ていますが、ボロブドゥール寺院遺跡内を案内してくれるのはツアーガイドさんではなく、ボロブドゥール寺院遺跡の専属ガイドであるワンリーさんでした。
日本での滞在経験もある日本語ペラペラのガイドさんで、英語が全然話せない私ですが、彼のおかげでまったく問題なくボロブドゥール寺院遺跡をまわれました。
インドネシアではインドネシア語なので、英語もできて日本語もできるそうです。
いやすごいw
ワンリーさんによると、この日はレバランというイスラム教のお正月のような期間中で、ボロブドゥールもイスラム教の人の観光客が多いそう。(ボロブドゥール寺院遺跡は仏教の遺跡です)
ボロブドゥールでは5月には仏教の花祭りがあり、花祭りの時期は中国人が多く訪れるそう。
この年のGWは日本では10連休だったこともあり、日本人の観光客も多かったそうです。
ボロブドゥール寺院遺跡の地震での倒壊と修復状況
ボロブドゥール寺院遺跡に入る前に、ワンリーさんから遺跡の状況などについて案内板を見ながらレクチャーを受けます。
ボロブドゥールのボロはお寺、ブドゥールは丘の上という意味で、合わせると丘の上にあるお寺という意味です。
ボロブドゥール寺院遺跡は地震で何度か倒壊しています。
倒壊前は石材を噛み合わせて建てられていましたが、現在は修復によりセメントになっている箇所も多いです。
1907年〜1911年に第一期のボロブドゥール寺院遺跡の修復作業がオランダ人の手によって行われますが、インドネシアはオランダの植民地であったため、仏塔や仏像の一部はオランダに接収され、オランダ博物館にあるそうです。
1973年にインドネシア政府がユネスコに協力を依頼し、1983年に2000万ドルをかけた第二期の修復が行われます。
1985年にはテロリストによる破壊の被害にもあっています。
2010年にはジョグジャカルタから30kmほど離れた場所にあるムラピ山が噴火し、ボロブドゥール寺院遺跡も火山灰で5cm埋まったそうです。
ボロブドゥール寺院遺跡は雨季の激しい雨や地震、火山の噴火などにさらされ、なかなか保存が難しい世界遺産のようです。
ボロブドゥールは欲望、解脱、極楽でできている!
ボロブドゥール寺院遺跡は下から上まで10階層で成り立ち、10の階層は大きく3つに分けられます。
下から3階層は欲望・煩悩の世界(Kamadhatu)を表わし、人間の欲望、カルマを示すレリーフが彫られています。
4階層から7階層までが解脱の世界(Rupadhatu)を表わし、ラリスタというお釈迦様の生涯を表すレリーフが刻まれています。
お釈迦様が生まれて悟りを開くまでの物語が解脱の世界では描かれているそうです。
そして8階層から10階層が極楽の世界(Arupadhatu)を表わしています。
この極楽の世界には72体の卒塔婆(ストゥーパ)と大卒塔婆があり、卒塔婆(ストゥーパ)の中の仏像はそれぞれ輪廻転生の印を切っているそうです。
ボロブドゥール寺院遺跡に描かれる煩悩の世界
ボロブドゥール寺院遺跡の一番下、欲望・煩悩の世界に描かれているものは、男の欲望、すなわち
「飲む・打つ・買う」
ですw
インドネシアではこの3つに加え、「麻薬・盗む」の2つが加わり合計5つの煩悩があるそうです。
レリーフもよく見ると、酒を飲む人、踊る人、そして女性を抱きかかえようとするエロそうなオヤジの姿も見ることができます。
またギャンブルに興じたり、麻薬のアヘンを売買し、さらに盗んだ金で女を買ったりもしているそうです。
やりたい放題ですねw
男の欲望が全開になっている一方で、ボロブドゥール寺院遺跡の一番下の階には女性の欲望についても描かれています。
女性の欲望・煩悩としては、悪い顔、噂話・ゴシップ好き、近親相姦などが描かれています。
欲望の世界のレリーフは現在一部しか公開されていません。
公開を制限しているのは、ボロブドゥール寺院遺跡が崩れかけているので遺跡を保護する目的もあります。
しかし観光客が多くなるにつれて、欲望の世界のレリーフは教育上よろしくない内容も多くて見せられないという事情もあるそうです。
まあ確かに修学旅行でやってきた小学生御一行などを相手に説明するのは難しそうです。
それにしても何がどれだけ精緻に描かれているか、気になってしまいますねw
ボロブドゥール寺院遺跡の中段はお釈迦様の生誕から悟りを開くまでを描いた「解脱の世界」
ボロブドゥール寺院遺跡の中段はお釈迦様(ブッダ)が悟りを開くまでの生涯が描かれています。
上の写真はブッダのお母様のマヤ夫人が象がお腹の中に入ってくる夢を見て妊娠し、ブッダを出産するまでの話が描かれているそうです。
ブッダを出産するまでのマヤ夫人のエピソードは不思議なものばかりです。
- ブッダを11ヶ月もお腹に宿していた
- 妊娠7ヶ月目に人々の病を治す力を授かり手をかざすだけで人々は元気になった
- 出産のために里帰りする途中でブッダを出産するが、ブッダは出産後にすぐ歩き出した
- ブッダが歩いた後にはハスの花が咲いた
などなど。
さすがブッダといった感じのエピソードですが、これらがレリーフに刻まれています。
この辺のレリーフはブッダの修行中の様子でしょうか?
祈りを捧げている感じの描写が多くなります。
こちらはボロブドゥール寺院遺跡の中段のレリーフの物語の最後のあたり。
おそらく修行の果てに悟りを開いたブッダの姿ですね。
ハスの花が10枚の花びらで描かれているものがありますが、ボロブドゥール寺院遺跡が10段で成り立っているように、ここでは10は完璧を表す数字だそうです。
解脱を果たして、次はいよいよ上段の極楽の世界に登ります。
ボロブドゥール寺院遺跡の最上階は「極楽の世界」
72体もの卒塔婆(ストゥーパ)が立ち並ぶボロブドゥール寺院遺跡の最上部です。
ボロブドゥール寺院の概念では欲望の世界、解脱の世界を経て、ここが極楽の世界です。
この日はヒジャブを被ったイスラム教の女性の姿が目立ちました。
イスラムの皆さんにとってこの日はレバランで正月休みのようになっているため、平日ですが訪れやすかったのでしょう。
ここは見晴らしもいいため、本当にたくさんの観光客がいます。
一部の卒塔婆(ストゥーパ)は崩れてしまい、中の仏像がむき出しになっているところもあります。
中の仏像は向いている方位に応じて瞑想や悪魔払いなど、様々な印を結んでいるそうです。
卒塔婆(ストゥーパ)の格子窓には菱形と四角形があり、菱形は欲望の世界、四角形は解脱の世界の象徴と言われています。
ボロブドゥール寺院遺跡の上部三段においても、菱形の窓の卒塔婆(ストゥーパ)は下の段、四角形の窓の卒塔婆(ストゥーパ)は中段、そして大卒塔婆は一番高い段に配置されているのがわかります。
ボロブドゥール寺院遺跡の中心の大卒塔婆には丸い形の窓があり、これは極楽の象徴だそうです。
丸い窓はどこにあるのか、ちょっとわかりませんでした。
ボロブドゥール寺院遺跡の上から見える山の形は涅槃の象徴であり、仏様が横たわっているそうです。
確かに左が頭で顎から首までが落ち込み、そこからやや下っ腹の出たお腹のようにも見えますね。
このボロブドゥール寺院遺跡の上部の極楽の世界では、時計回りに3周回ると幸せになると言われています。
私も人をかき分けて3周してきましたw
ボロブドゥール寺院遺跡で朝日を見るサンライズツアーは?
今回のボロブドゥール寺院遺跡訪問はジャカルタからの日帰りツアーで来たため、さすがにここで朝日を見ることはできませんでした。
ただ、ジョグジャカルタ市内のホテルに宿泊していれば、朝焼けのボロブドゥール寺院遺跡を見る現地ツアーはいくつかあります。
朝日を見るツアーならそれほど暑くないですし、人も昼間よりは少なくキレイな写真を撮りやすいでしょう。
また、ボロブドゥール寺院遺跡入り口にはマノハラホテルがあり、以前はこちらに宿泊すればもれなくボロブドゥールから朝日を見れたそうです。
しかし私が訪れた2019年6月時点では建て替え工事中で宿泊はできません。
のんびりした雰囲気なので、おそらくあと1年くらいは工事をしている気がします。
ボロブドゥール寺院遺跡で日の出を拝むには、ジョグジャカルタ市内のホテルに泊まって朝日を見るツアーに参加するしかないようです。
またいつか、朝日が昇るボロブドゥール寺院遺跡を見てみたいですね。